2017.8.29 Howto

現代アート理解のためのおススメ本(その②)

アート本

(①から続く)

作品集

次に作品集を紹介します。

まずは2006年東京都現代美術館での個展のカタログで、重さが6キロもある凄い1冊は、(11)大竹伸朗の『全景』(グラムブックス)です。

 

 

この展覧会はそのものが物凄いボリュームのある展覧会で、展示会場の最後の感想文ノートに「初めて美術館で吐きました、20才女」という書き込みを見て爆笑したほどのものでしたが、カタログもそのまま、大竹伸朗のパワーに圧倒されます。

また、(12)杉本博司の『Hiroshi Sugimoto』(森美術館)は、杉本博司の「ジオラマ」シリーズ、「劇場」シリーズ、「海景」シリーズが網羅されていることもあって、精神的におだやかになれるような素晴らしいカタログです。

 

 

贈り物として、あるいは本棚にあるとハッピーになる本としては、ミヤケマイの作品集があります。

(13)『ココでないドコか』(芸術新聞社)は、言葉遊びや四季のしつらえなどを作品の中に粋でいなせに表現しているミヤケさんならではの、楽しい気分にさせてくれる本となっています。松岡正剛さん、角田光代さんらのエッセイも楽しめます。

 

 

それから森村泰昌さんの本は何冊も出版されていますが、大判で作品を見られるのが(14)『美に至る病』森村泰昌(横浜美術館)です。

森村さんの作品の中の「女優」シリーズがほぼ全作品網羅されています。「女優」シリーズは特に映画女優にフォーカスしており、古今東西の名画の中の女優に森村さんが扮していますので、森村さんの作品から映画へ興味が展開するかもしれません。逆に映画好きなら、森村さんご本人とは似ても似つかない女優になってしまっている変身の凄さに感動させられます。

この他に、写真集ならここ、というのがデザイン事務所であり版元でもある町口覚率いるマッチ&カンパニー。ここのラインナップはすべて評価が高いものばかりです。
ウェブからも購入可能です。( http://bookshop-m.com/

これらご紹介した本を参考に、美術館やギャラリーを覗き、アーティストに質問してみたり、ギャラリーの方と立ち話をしてみたりして、楽しみながら知識を増やしていきましょう。

(文:山口裕美)

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